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■Drag Star用V-Boostとは?
(注)長いので全部読むには覚悟が必要です。
「ドラッグスターに〈あの〉V-BOOSTを付ける事ができる。」
そんな情報をインターネット上で見かけたのは、
俺がパソコンを買ったばかりだった1999年の夏頃。
某Kさんという方のHPに載っていたその情報は俺にとって衝撃的だった。
当時(少しだけ)ドラッグスターに飽きて来ていた俺は
その情報を元にYSP高井戸へ行った。
その情報は本当だった。
YSPで話を聞くほどに俺の物欲はヒートアップし、
気が付いたら我がDS4を預けて店を出ていた。
(多少脚色してます)
そして一週間後。
店に行くと見た目は全く変わらない我がDS4が店の前に停めてあった。
しかしエンジンをかけた時、俺の胸は期待で膨れ上がった。
音が違うのだ。
音の太さが違う。
音のリズムも違う。
そして一通り説明を受け、跨る。
クラッチを握りギアをローに入れアクセルを捻る。
そしてクラッチレバーを離し、後輪に動力が伝わった途端、
・・・エンストした。
V-BOOSTを入れると低回転は弱くなるようだ。
もう一度エンジンをかけ、今度は少しアクセルを多めに開けながら発進。
やはり出だしは少しつまるような感じだが、
回転が上がってきたと思った途端!一気に吹け上がった。
お、面白い・・・。
これまでとは違う加速感。
中・高速での追い越しが楽だ。
エンジンをまわすのが面白くなってくる。
そして俺は再びDS4にのめり込み、
新たなカスタムに金と時間を費やすことになった。
そもそも「V-BOOST」とは、
YAMAHAの誇る名車Vmax1200の輸出仕様に装備される装置のこと。
今を去る事20年近くも前に登場したVmaxはこのV-BOOSTを装備する事で
当時としては驚くべき数値だった145psという馬力を叩き出した。
その構造は、V型エンジンの隣り合うキャブレター二つを連結し、
より濃い混合気を燃焼室へ送り込むというもの。
要は、通常各シリンダー1つに対してキャブは1つしか使用していないが、
キャブをいっぺんに二つ使ってより多くの燃料を送り込んでしまえ!というもの。
詳しいことは俺も良く知らないが、つまりはそんな感じらしい。
いわゆる「ターボ」や「スーパーチャージャー」などの加給機とは
異なるので注意されたい。
Vmax(輸出仕様)の場合はエンジン回転数が6500回転まで上がると、
キャブを連結するバルブが自動的に開き、
「ドッカン!」と一気に加速する可変式V-BOOSTシステムとなっているが、
元々V-BOOSTの付いていない国内仕様Vmax用に後付けするキットとして、
回転数に関係なく常時キャブを連結した状態になっている
フルタイムV-BOOSTシステムというものもある。(らしい)
詳しくは知らないがこのフルタイムV-BOOST仕様の国内版Vmaxの方が、
可変式V-BOOSTの輸出版Vmaxよりも全域パワーがあって面白い、
という噂もあるらしい。
ということでそんなオイシイV-BOOSTシステムだったら
同じV型エンジン(VツインとV4の違いはあるけど)の
DRAG STARにも活用できないか?ということで
YSP高井戸&高円寺が独自に作ってしまったのが
DRAG STAR用V-BOOSTなのです。
V-BOOSTの取り付けはYSPに完全にお任せしてしまったので
正味なところどういう仕組みなのか良くは知らんのですが、
下の写真にあるようにキャブレターの間をバイパスで繋ぎ、
混合気の通り道を作ってやるという改造のようです。
これがDS4用V-Boostだ!
画像中央部のフィンのついた金属製のバイパスチューブが
V-Boostと呼ばれるもの。
ふたつのインテークマニホールドを連結する。
ヒマだったんでイメージ図を作ってみた!
子供の落書きみたいだけど気にしないように。
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これがノーマルの状態。
1気筒につきキャブ1つ |
で、これがバイパスチューブでキャブ(マニフォールドだっけ?)を連結させて1気筒にキャブ2つで混合気を送り込むDS4用フルタイムV-BOOST。
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つまりDS4用V-BOOSTは、
回転数に関係なく常時キャブが繋がりっぱなしの
「フルタイムV-BOOST」ということになる。
そのため、低回転時は混合気が濃すぎるせいで
スタート時の立ち上がりがちょっとつまり気味になるが、
中回転からの加速は一気に吹け上がる感じ。
まさに爆発的という言葉がふさわしいほど飛躍的にアップする。
YSP高井戸の店長いわく、
排気量がワンクラス上(500ccとか600ccとか?)の
ようなトルクが味わえるのだ。
誰に聞いたか忘れたけどストックの出力32馬力が
プラス5馬力で、37馬力になるとか(ならないとか)。
しかも、アイドリング時は混合気が濃すぎるせいなのだが、
排気音のリズムがドッドドドッと3拍子っぽい
リズミカルなものに変化するおまけつき。
(ハーレーの不定期音とは原理もリズムも別物なので予めご了承を)
現在V-BOOST装着車は日本で20台位らしい。
(2000年8月12日現在:現在はもっと増えてるハズ)
YSP高井戸店長によると、マフラーとの相性があるようで、
組み合わせによって効果の出方が異なっているようだ。
相性が良さそうなのは、俺の付けてたのと同じ2in1タイプ。
(ノーマルマフラーも2in2に見えて実は2in1なので相性は良いらしい)
また、ただ取り付けるだけでは最大限の効果は得られない。
給排気の状態に合わせてキャブのセッティングもしなければならない。
ということでDS4用のV-BOOST取り付けについては、
基本的にはYSP高井戸、又は高円寺への車体の持ち込みが原則となり、
DS4用V-BOOST単体での販売はしていないようだが、
過去に北海道や九州方面から問い合わせがあった際には、
地元のバイク屋さんの協力により取り付けを行なった例もあるそうだ。
地方在住の方もあきらめずに、まずはお店に相談してみて欲しい。
カスタムの方向性をも左右させるDS4用V-BOOSTを装着すれば
DRAG STARの新しい世界が見えてくる!!!
ちなみに俺はコイツを装着してからというもの
走り回るのが面白くてしょうがなくなり、
それまで外見重視のカスタムに興じていたのが一転、
パワーアップ系のカスタムに目覚めてしまいました。
マフラー・エアクリーナーなんかの給排気や、
プラグ・プラグコードなんかの点火系、
あげくはブレーキなんかの足回りまで金を投入してしまうとは・・・。
まあ、興味がある方はぜひ試してみて下さい。
費用対効果の高いパワーアップだと俺は思います。
なお、参考までにV-BOOST装着後、
いったいどこまでスピードが出るのか試してみたところ、
東北方面の某高速道・・・、じゃなくてサーキットということにしておきますが、
V-BOOST+ノロジー+イリジウムプラグ+スパトラ+S&Sで
平地5速全開でメーター読み170km/hで頭打ちでした。
リミッターが効くところまでは行きませんでした。
回転数は確か8000〜9000rpmくらいだった気がします。(うろ覚え)
ノーマルの時はそんなトライはしなかったので比較はできませんが、
高速域からの伸びはやはりV-BOOSTに分があると思います。
100km/hからでもグイっと加速します。
しかし、150km/hあたりで巡航していると、手はしびれるし、
首は疲れるし、オーバーヒートしてSA・・・じゃなくてピットで立ち往生するし
(温度が下がるまでエンジンかからなかったり)
足回り貧弱で車線変更はフラついて恐いし、でイイコトないです。
ちなみにスピード出したい人は減速のことも考えて
ブレーキ強化することをオススメします。
※公道では最高速トライはしてはいけません!
(注)面白さのあまりエンジン回しすぎてオーバーヒートしないように注意しましょう・・・。
(ちなみに俺は4、5回やってしまいました・・・。)
DS4用V-BOOSTについての詳しいお話は
YSP高井戸にお問い合わせを・・・。
TEL03-3313-4424
>>お店のホームページができてました。
移転しておっきくなったそうです。
V-BOOSTの排気音載せてみました。
興味ある方は参考にどうぞ。
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