俺流
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■VMAXデザイナー
GKダイナミックス 一条厚氏
インタビュー


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バイクに乗っていると、
他では味わえない素晴らしい体験に出会える


XS659spでホワイトハウス到着!
(写真提供:一条氏)

一条氏  そして、バイクに乗っていると、他では味わえない素晴らしい体験に出会える。若い頃アメリカに仕事で行った時、夏休みに一人で9日間でアメリカ大陸を横断したことがあるんです。行って終わりの片道じゃなく、9日間で「往復」です。ヤマハXS659スペシャルでひたすら走っていたんですが、ネバダ砂漠で凄い雷雨に見舞われたんですよね。視界には真っ直ぐに延びる道と空から落ちる雷以外は何もない世界。あれは印象的でした。でも感動しつつ、ふと気付いたんですけど、この真っ平らな砂漠で一番高いのは俺とバイクだけだ!、と。雷は高いところに落ちるんだよなーって、思った瞬間、印象的な世界は恐怖の世界に変わったんですよね(笑) でも避難する所も無いし。あとは落雷から心臓だけは避けようとして右手だけでハンドルのゴム端の方をつまむように持って、タンクも金属製だからって、両膝をガバッと開いてタンクから離して走りました。もちろんそんなの気休めにしかなりませんけどね(笑)
結局、鈍速のバイブレーターXSでは9日間では帰れなくて、10日目の昼頃に直接会社に乗りつけました。
そういうバイクでしか味わえない風景やハプニングなども魅力だと思います。



(BBW) (雷を避ける時の両手両足を広げた恰好の再現に爆笑)
ソロツーリングだと特にですが、ハプニングや心細さも楽しいですよね。独りで山の中とかを走っている途中に何も無い所でエンジンを止めて休憩したりすると、突如静寂に包まれて、心細さとともにバイクと自分しかいないことに何とも言えない嬉しさを感じることがあります。

一条氏  そういうのありますよね。最終日になんとまだデンバーで、アメリカ大陸の3分の一残ってる、LAまでまだ2300Km一気に走るしかない。タイヤは坊主どころかカーカスが見えてきてバーストも怖いし。しかし コロラド山中の満天からこぼれる星空の下、息を呑むほど美しい降るような流れ星、
エンジンを切ると完璧な静寂の中、まるでどこかの天体にいるような感動を覚えました。
旅の終わりの32時間の連続走行は、幻覚が出て木が道を横切るやらでしたが、ヤマハのバイクはタフに耐えてくれました。
この旅の体験は後にVMAXをデザインする時、アメリカの大地でのモノの存在感の重要性をデザインにイメージする上で、実感の拠り所となりました。


高速二人乗りが解禁されてしばらく経つけど、
意外とまだタンデムでツーリングしてる人は少ないのが残念



(BBW) もちろん独りで行くのが一番とは限りませんけどね。一条さんは奥様とVMAXにタンデムしてツーリングに行くとお聞きしましたが。

一条氏  タンデムも良いですよね。高速二人乗りが解禁されてしばらく経つけど、意外とまだタンデムでツーリングしてる人は少ないのが残念です。タンデムならではの相手との距離感とか、タンデムから生まれる信頼関係とかは他ではありませんよね。もっと、奥さんやお子さん、彼女や友達とタンデムツーリングをして欲しいですね。一人の時は速く、タンデムの時は美しくライディング。社会のバイクへの見方が変わるでしょう。
バイクに乗らない人には、バイクは危険だというイメージが強い人もいると思いますが、ライダーは自分の身を守る本能から、慎重な運転をする方が多いと思います。そういう意味では車だけを運転する人よりも安全意識が高いんじゃないでしょうか?



(BBW) そうですね。私はある時、「車に乗っているといずれ人を傷つけてしまうんじゃないか」という恐怖感にかられて、しばらく車に乗らなかったことがあります。大きさや特性からしてもバイクの方が車よりも、少なくとも人を傷つける可能性は少ないんじゃないかと思います。
「バイク=危険」という短絡的な悪いイメージを払拭して、もっとたくさんの人にバイクを楽しんで欲しいと思いますね。


一条氏  そうですね。もっと欧州のように二輪車が生活や文化に浸透して趣味を楽しみ、都市では機動性を活かす人が更に増えると嬉しいですね。日本はもう60年以上バイクを作ってきたのに、モータリゼーションが文化として日本になかなか根付かないのを憂う今日この頃です。皆さんバイクを楽しみましょう!

(BBW) 本日はお忙しいところありがとうございました。


今回のインタビューを通して、我々が普段乗っているバイクをデザインしている方が、やっぱり我々と同じバイク好きで、バイクへの熱い情熱を絶やさない人物であったことに嬉しさを感じた。
心底バイクを愛する一条氏のようなデザイナーによる作品が、我々を心から楽しませてくれるのは必然に思える。
そして自分のバイクの向こう側にこのような人たちの存在が見えてきたことで、同じバイクでもこれまでよりも更に愛着が増してくる思いがした。

 

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ミスターバイク09年1月号
開発者、デザイナーのインタビューが読み応えアリ。エスパー小宮氏のコメントも面白い。大特集全20ページ。



ヤングマシン08年8月号
新型VMAXについてかなり詳しい情報が載っています。
ヤングマシン・・・買ったのはじめてかもしれん・・・。



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